脳神経外科

急性期脳梗塞に対するカテーテル治療

脳梗塞の治療は発症から早期に治療開始できるかが鍵です。ただし、心臓からの血栓により、脳内の太い血管が閉塞した場合には、t-PA静注療法や一般的な内科治療が無効であることが多く、これまで、死亡するか、高度の後遺症を残していました。昨今本邦に導入されたステント型血栓回収機器や血栓吸引機器は、脳内閉塞動脈の血栓をカテーテルにより捕捉・摘出し、早期に再開通させることができます(図1)。これまで、死亡するか、高度の後遺症を残していた重篤な脳梗塞に対し、劇的な治療効果をもたらすようになりました。当院ではカテーテルによる血栓溶解の治療を20年以上前から手掛けてきており、昨今本邦に導入された血栓捕捉・摘出についても、当科のスタッフが10年前に米国にてその技術を習得しておりました。本邦での認可と同時に治療を開始、きわめて良好な治療結果を得ております。

図1.左内頸動脈閉塞

A.治療前の脳血管撮影所見
B.ステントにて血栓を捕捉、牽引中
C.治療後の脳血管撮影による再開通所見