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レックリングハウゼン病、膝関節巨大皮下血腫症例

レックリングハウゼン病、膝関節巨大皮下血腫症例(増井)

症例 72歳、女性
レックリングハウゼン病、膝関節巨大皮下血腫
昼間、膝関節前面を打撲、夜間になり膝関節前面が急激に腫脹してきたため、翌日、当科受診
血小板数、凝固因子に異常なし
MRI 膝関節内側皮下に巨大な血腫を認める

術中写真

術後3週写真
術後10週写真
術中経過
  • 出血量:400ml
  • 手術時間:45分
ポイント
  • von Recklinghausen 病原因遺伝子:17番染色体長腕上(17q11.2)
  • 神経線維腫症1型(両側性聴神経腫瘍を主徴の神経線維腫症2型と区別)
  • 血管病変により動脈が自然破裂し、致命的な大出血をきたすことがある
  • 動脈自然破裂の機序:中膜に神経線維腫が直接増殖し血管壁が脆弱化/神経線維腫が動脈の栄養血管を圧迫し、虚血になり血管壁が部分的に脆弱化/内膜での紡錘型細胞(平滑筋)の増殖により中膜が非薄化し、弾性板が脆弱化、などがある
  • 静脈性出血:神経線維腫の浸潤による静脈血管壁が脆弱化、軽微な外力で出血・血腫
  • 止血困難のリスク