泌尿器科

診療概要

前立腺がん

2015年の集計では前立腺がんは我が国における男性罹患率第1位のがんになりました。中高年男性にとっては一般的な疾患となった前立腺がんですが、当科では前立腺がん腫瘍マーカーのPSA測定による検査の他、最新のMRIによる前立腺がん局在診断を行っております。

前立腺生検は経直腸的に行われることが一般的で、急性前立腺炎が約5%の確率で起こり、これまで他施設では敗血症による死亡例も報告されております。当院では一貫して経会陰的に施行しており、3年の成績では急性前立腺炎の発症率は0%です。また、全身麻酔下に1泊2日で行っておりますので、安全性と快適性を備えていると言えます。

前立腺がんの治療に対しては千葉県で初めて最新機種のロボットであるダビンチxiを導入し、がんの根治のみならず、尿漏れや性機能障害の軽減に努めております。

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腎がん(腎細胞がん)

腎細胞がん(腎がん)の治療は腫瘍のサイズによって異なります。4cm以下のT1aと呼ばれる小径腎細胞がんに対しては、当科では腎の部分切除術を3D画像のロボット支援腹腔鏡手術で行います(2016年4月保険適応)。(RENALスコアと呼ばれる手術の難易度を図る点数が高値の場合には開腹手術で行う場合もあります。)またそれ以外の腫瘍に対しては腹腔鏡下根治的腎摘除術を最新式のフレキシブル3Dスコープ(オリンパス社)を用いて3次元画像で施行しています。(根治的とは腫瘍を腎と一塊にして取り除くことです。)当院では2016年4月より腹腔鏡手術技術認定医が常勤し、同手術の平均手術時間は2時間未満と低侵襲の手術が可能となっております。

膀胱がん、腎盂尿管がん(尿路上皮がん)

膀胱がんに対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術(電解質溶液下で合併症が少なく切れ味の良い切除を発揮する最新式のオリンパスHFサージェリーシステムを使用)を施行し、診断確定後、ガイドラインに基づいた治療(再度の切除術、BCG膀胱内注入、抗がん剤注入、ロボット支援根治的膀胱摘除術)をお勧めしております。ロボット支援根治的膀胱摘除術が2018年4月より保険適応となり、当院でも行っております。ロボット支援根治的膀胱摘除術後の尿路変更としても回腸利用新膀胱、回腸導管造設術など生活の質の向上を目指してがん治療認定医が治療を進めていきます。

尿路結石症

尿路結石の治療に対する治療において当院では最新の体外衝撃波結石破砕装置 (Dornier Delta Ⅱ)を有しており、日帰り手術が可能です。また、体外衝撃波では砕石困難な症例においても経尿道的尿管結石破砕を最新のレーザー砕石装置(Sphinx Jr. 0LISA LASER社)と尿管鏡を用いて熟練した医師が施行し、短期入院での治療(4-5日)が可能となっております。

前立腺肥大症

文字通り前立腺が肥大(大きくなる)し、尿道や膀胱を圧迫する病気です。症状としては排尿に関するものがほとんどで、尿の回数が多くなる(頻尿)、尿が出にくい(排出障害)、夜間に尿意で起きる(夜間頻尿)、急に強い尿意が起こる(尿意切迫感)などが主に挙げられます。基本的に良性疾患であり、生命に危険が及ぶことはありません。程度の差はあれ、男性であればどなたにでも加齢による前立腺の肥大は起こり得ますが、QOLの低下を招くような症状がある場合は、治療の対象となります。

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下部尿路症状

男性における前立腺肥大症、女性における過活動膀胱に対して多彩な薬物療法を中心に行っております。最新の尿流測定診断機(TOTOフロースカイ)を用いて患者様の排尿状態を評価し、治療に役立てております。

泌尿器科救急疾患

尿路結石に伴った尿路感染症(敗血症)は日本のデータで3%の死亡率と言われており、早急な対応が必要です。尿管ステント留置もしくは経皮的腎ろう造設などの緊急処置が必要になります。また、精巣捻転と呼ばれる精巣の回転で精巣がうっ血してしまう状態は迅速な手術が必要になります。(症状が出てから24時間以内、できれば6-8時間以内:小児外科学会)持続勃起症と言う勃起が収まらない(4時間以上)状態も性機能学会専門医による緊急処置が必要です。当院では24時間体制で麻酔科医、手術室看護師が待機し、常時泌尿器科緊急手術が可能となっております。