部門

薬剤部の業務

病棟常駐薬剤師

病院の中での業務についてお話しいたします。

  1. 入院調剤(入院患者さまのお薬:内服、外用、注射、特殊製剤など)
  2. 外来調剤(外来患者さまのお薬:内服、外用、注射、特殊製剤など)
  3. 病棟常駐薬剤師(入院患者さまに対し、医師・看護師とともに治療サポートをします。)
  4. 医薬品情報(専任でおこなう体制ではないですが兼務として医薬品情報の受信・発信など)
  5. 認定・専門薬剤師(外来化学療法センター、栄養サポートチーム、感染委員会、褥瘡委員会、糖尿病教室、母親(授乳婦)教室、長期実習薬学生の対応など)

厚生労働省医政局は、平成22年4月30日付けで「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」を各都道府県知事宛に通知しました。特に、薬剤師については、チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することの有益性を指摘しています。

千葉西総合病院の病棟薬剤師常駐体制の歴史は古く約15年以上前からです。最近の話題としては、入院患者さんの持参薬(持ち込み薬)です。冒頭の文章で“主体的に薬物療法に参加する”というと未来への進行形を連想するかもしれません。持参薬の話は入院患者さんの過去の話に戻ることから始まるのです。薬剤師は診療情報提供用紙、薬剤情報提供用紙、お薬手帳、お薬の現物、本人や家族からのお話などから過去の真のコンプライアンス、副作用、相互作用、継続の有無、今の症状やお気持ちを考えていきます。これは医師も看護師もしなければいけないことですが、薬剤師がおこなうと正確にはやく情報共有ができます。はやくできることは多種多様なスタッフが専門分野に各々専門性を発揮しやすくなるわけです。

最後に、私達の病棟常駐薬剤師のスタイルは“常に現場にいる”をモットーにおこなっていますが、今後は介入の質や幅をひろげていかなければならないと思っています。現在は1病棟1薬剤師制の配置人数も見直さなければなりません。病棟薬剤師は、医師や看護師などから実臨床を学び、研修医や看護師には“薬”というものを教えられる存在にならなければいけないというのが目標です。こうすれば、必然的に患者さんがうけるメリットが増えると思うのです。日々勉強です。

感染制御に関わる薬剤師

2009年、新型インフルエンザ、耐性菌による院内感染報道もあるように近年、感染対策は大きなウエイトを占めるようになってきています。感染予防、治療には消毒薬、抗菌薬あるいはワクチンなど多くの薬が関わってくる為、その適正使用には薬剤師として積極的に関わっていく必要があるわけです。

抗菌薬は、耐性菌を作らない、副作用を抑えながらより効果的に使用する必要がありPK/PDに基づいた投与、TDMによる適正使用を行っていきます。消毒薬であればその選択、使用濃度、有効期限などの確認が必要です。

院内感染対策としては患者様の治療だけでなく病院職員の感染予防も重要になってきます。

たとえば、インフルエンザワクチン予防接種は全職員に行っていきますし、その他、肝炎予防ワクチンなど、他のワクチンを接種する必要がある場合はその投与間隔をスケジュール管理していきます。また、抗菌薬や抗ウイルス薬などの予防投薬が必要になった場合の適正使用に関与することも必要になってきます。

感染対策は医師・看護師・検査技師等、他職種・他チームと連携しながら取り組むことになりますから病院薬剤師として多くの事に関われますし、院内感染だけでなく地域での感染予防にも貢献できると思います。

感染制御に関わる薬剤師

2009年、新型インフルエンザ、耐性菌による院内感染報道もあるように近年、感染対策は大きなウエイトを占めるようになってきています。
感染予防、治療には消毒薬、抗菌薬あるいはワクチンなど多くの薬が関わってくる為、その適正使用には薬剤師として積極的に関わっていく必要があるわけです。

抗菌薬は、耐性菌を作らない、副作用を抑えながらより効果的に使用する必要がありPK/PDに基づいた投与、TDMによる適正使用を行っていきます。消毒薬であればその選択、使用濃度、有効期限などの確認が必要です。

院内感染対策としては患者さんの治療だけでなく病院職員の感染予防も重要になってきます。たとえば、インフルエンザワクチン予防接種は全職員に行っていきますし、その他、肝炎予防ワクチンなど、他のワクチンを接種する必要がある場合はその投与間隔をスケジュール管理していきます。また、抗菌薬や抗ウイルス薬などの予防投薬が必要になった場合の適正使用に関与することも必要になってきます。

感染対策は医師・看護師・検査技師等、他職種・他チームと連携しながら取り組むことになりますから病院薬剤師として多くの事に関われますし、院内感染だけでなく地域での感染予防にも貢献できると思います。

入職したら、ぜひ聞いて下さい。

糖尿病教室

国際糖尿病連合の発表したデータによると、2011年の日本における糖尿病人口は1067万人を超え、今や世界第6位の糖尿病大国とされています。様々な合併症を引き起こす糖尿病を相手に、私たち薬剤部も日々積極的に治療に関わっています。

主な取り組みの一つとして、毎月開催している糖尿病教室があります。糖尿病教室は、糖尿病に関する正しい知識を付けて頂く事を目的に、外来・入院患者さんに対して行っています。日本糖尿病療養指導士を中心にそれぞれの専門性を発揮させながら患者さんに分かりやすくお話をしています。私達、薬剤師の担当する内容は主に薬物療法で、内服薬やインスリン療法に関する事や、低血糖の症状・対処法を中心に話しを進めます。

また、患者さんが日頃抱えている疑問にもお答えし、「診察の中では聞けなかった事が分かってすごく勉強になりました」「今までインスリンの事を誤解していました」と、治療に対してより前向きな姿勢に変われたことを実感いたします。

栄養サポートチーム活動について

当院では入院中の栄養状態がよくない患者さんに対して専門の医者・看護師・薬剤師・栄養士が患者さんのベッドサイドに訪問しそれぞれの専門知識を活かしてよりよい栄養管理ができるように検討をしています。

栄養状態の改善は手術後の感染症や合併症の予防や術後の傷口の治癒を早めることにつながります。薬剤師は月曜・金曜のラウンドに参加し点滴をしている患者さんや栄養不良になった患者さんに対し、症状・既往にあった輸液や内服薬の提案などをしています。

母親(産褥婦)教室(お休み中)

当院で分娩を終えたお母さんは、1週間程度の入院となります。その入院期間では、母体の回復を待ち、助産師からの授乳指導などがあります。さらに、小児科の先生と私達薬剤師からの母親教室も行っています。

出産したばかりで、3時間おきの授乳や寝不足も続いて大変なお母さん方ですが、この時は赤ちゃんを新生児室に預け、デイルームに集まり、お話を聞いていただきます。

はじめに小児科の先生から、赤ちゃんがかかりやすい病気のお話やワクチンのお話などがあり、その後に薬剤師からのお話になります。薬剤部では『こどものくすり』という冊子を作成し、小さいこどもによく処方されるお薬についてお話を進めていきます。このとき、お話する内容として大きく3つのポイントを心がけています。

まず1つめに、「散剤・水剤の飲ませ方」についてです。

散剤は水やシロップに溶いて飲ませる方法や、少量の水でだんご状に練って、お子さんの上顎や内頬につけて水で流し込む方法などをお話しています。水剤はスポイトやスプーンを使って飲ませてあげる方法や、お薬の甘みが苦手なお子さんには、かさが増えてしまうけれど水で薄める方法もあるということもお伝えしています。市販のお薬ゼリーやスポイトなどのアイテムを使うこともお勧めしています。

次に2つめは、「坐薬の使い方」です。坐薬は赤ちゃんのおむつを替えるような体勢をとってもらい、肛門から入れた後、お薬が出てこないように少し抑えておいてもらいます。痛がってしまうような場合は、サラダ油等を付けるとスムーズになることもお伝えしています。

最後に「誤飲・中毒を引き起こさないための予防」についてです。

お子さんを誤飲や中毒といった事故から守るのは大人の責任です。お子さんの手の届きやすいところに、薬やたばこ、硬貨などをおかない、直径約40mm以内のものは誤飲・窒息の可能性があること等をお話しし、事故を予防することの重要性をお伝えしています。

当院の母親教室では、初めての出産の方も2回目3回目の出産の方も一緒に参加してもらいます。中には、先輩お母さんから、初めてのお母さんへのアドバイスをしている光景も見られ、交流の場所にもなっています。

出産直後は、お薬の飲み方使い方などは二の次になってしまい、特に初めてのお子さんの場合はいざお薬を飲ませる時に、“あれ?お薬ってどう飲ませるんだっけ?”という声も多く聞かれます。そんなときにお渡しした冊子をみて、“あの時、そういえばこんなこと言っていたな”と思い出してもらえるような、そして1つの手助けになれるような母親教室を目指しています。

心臓病教室

心臓病で治療中の患者さんやそのご家族が、より良い治療と健やかな生活を得るために、各分野の専門職が病気について治療のことから再発予防についてまで、わかりやすくお話しさせていただく教室になります。

開催日は基本的に毎週水曜日に行っております。現在6つの部署(医師・看護師・薬剤師・検査技師・管理栄養士・理学療法士)で当番制をとっており、その中で薬剤師は2ヶ月に1回お話ししております。

薬剤師の講義の内容は、心臓に関する薬剤の薬効、副作用についての説明です。まず、薬を種類別(降圧剤・利尿剤・硝酸薬・抗血小板薬・抗凝固薬)に説明し、実際に自分が飲んでいる薬がどの分類の薬なのか?何に効く薬なのか?どうやって効いているのか?どういったことに注意すればいいのか?を患者さん、ご家族の方に理解していただくようわかりやすく説明しております。

講義の後には質疑応答の時間もとっており、講義の内容とは関係のない質問でも普段気になっていて聞けないことや、聞きたいことがあるけれど聞く機会がない患者さんなど薬についての質問に対してお答えしています。

他部署の方とコミュニケーションをとり、チーム医療のひとつとして現在活動しています。

外来化学療法センター薬剤師

今や日本人の2人中1人がんにかかり、3人中1人がんで死亡しています。医療人として薬剤師ががん医療に関わらない訳にはいきません。

  1. 抗がん薬処方のチェック(内服・点滴・同時併用)
  2. 他科処方薬との相互作用チェック
  3. 注射抗がん薬の混合調製(1日平均約8件)
  4. レジメン登録や審査(SSI電子カルテ抗がん剤プロトコル使用)
  5. 患者さんへの薬剤説明
  6. 副作用のモニタリング

がん薬物療法は他領域と比べて特殊性が高く、治療の考え方、副作用の対応など独特の面が多いです。加えて、臨床医学の進歩と新薬開発スピードが速く、かつ治療レジメンが複雑なため、薬剤師側も相当に勉強しないと対応ができません。

現在、千葉西では、平日は3人体制でがん業務をおこなっています。1人目は専従のがん認定薬剤師です。患者数が多いときには抗がん薬の混合調製も手伝いますが、上記の4.「レジメン登録や審査」と入院・外来がん患者さんのチェック・薬剤師介入フォローをしています。2人目(病院薬剤師歴3年以上)は外来化学療法センター利用患者さんへの薬剤説明です。3人目(病院薬剤師歴1年以上)は、3.「注射抗がん薬の混合調製」担当者です。がん認定薬剤師以外は希望制で約17人の中からローテーションでおこなっています。そして、当院には腫瘍内科のがん専門医の先生がいらっしゃるので、その先生の指導のもとにがん治療を勉強していく恵まれた環境があります。さらにがん認定薬剤師の中には、日本臨床腫瘍薬学会に所属し学会代議員、地域医療連携委員、地域医療連携委員会ガイダンス作成小委員会の仕事をしている者がいます。日本臨床腫瘍薬学会に入ろう!がん治療認定薬剤師になろう!学会発表へ一緒に行こう!これらもひとつの合言葉になっています。我々は患者さん、医師、看護師、病院、地域医療に貢献できるよう病院内外に関わらずがん治療を勉強していきます。

新棟建設 薬剤部を自分達で設計!

私達は新しい病院の薬剤部の床面積としてどの位必要か希望を出し、新棟建築会議で了承をいただきました。そして内部の詳細も薬剤部で話し合って決めた経緯があります。新しい薬剤部のコンセプトは

  1. 可能な限りオープンスペースで扉(部屋)、扉(部屋)にならないようにした。
  2. 薬学実習生を受け入れられるスペースを確保しました。
  3. 薬局内で55インチのモニターで勉強会ができるスタッフルームがあります。
  4. 安全キャビネットは室外廃棄で無菌室内にも電子カルテがはいります。
  5. 医薬品の納品は地下のトラックヤードから直接、積み下ろしができて便利です。
  6. 注射室には全長8mの注射ピックングマシンがあります。
  7. お薬交付窓口以外に、時間をかけて説明・指導ができる面談スペースがあります。

勉強会について

薬剤部では3ヶ月に1回勉強会を開催しています。

さらに最近では、松戸薬剤師会、松戸市立病院、新東京病院と合同で行うがん医療連携の勉強会も増えています。外部講師をお招きしたり、近隣薬局薬剤師をお誘いしたりとオープンな会ですのでぜひご参加してください。

以上、薬剤部の紹介をさせていただきました。

当院に興味をお持ちの方は、ご遠慮なく見学にいらしてください。可能な限り日程調整致します!