専門医療センター

ICD / CRT-D治療

頻脈治療に使用するデバイスとしてはICD(植え込み型除細動器)やCRT-D(両心室ペーシング機能付き植え込み型除細動器)があります。
ICDは公共施設などに設置されているAEDを小型にして体に埋め込むものとしてお考えいただければ良く、致死的な頻脈を検知した時に心臓に電気ショックを加えて脈を正常に戻す働き(除細動)をします。CRT-Dでは除細動機能に加え、心不全による心臓のポンプ機能低下を補助するペーシング機能も有しています。
デバイスは肩のあたりに皮下ポケットを作って植え込みます。植え込みは主に局所麻酔による比較的簡易な手技となっています。デバイスが発生する電気刺激は、静脈を通じて設置したリード(電線)を通じて心臓に伝えられます。
また、ICDの一種であるS-ICD(皮下植込み型除細動器)ではリード線を血管や心臓に入れることがないため感染に強く、ショックによる心筋障害が少ない等の優れた特徴があります。従来のリードを心臓内に留置するICDに対して様々な優位性を持ち、従来型ICDにとって代わろうとしています。当センターのS-ICD植え込み件数は全国2位となっています。(2020年度実績)
当センターでは、いずれのデバイスも症状や年齢他に基づき適応を慎重に判断し、植え込みを行なっています。
これらのデバイス治療では、デバイスの管理(フォローアップ)が極めて重要になります。当院では遠隔モニタリングを実施しており、万全なバックアップ体制を敷いています。

ICD(従来型)

S-ICD

CRT-D

写真提供:ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社、日本メドトロニック株式会社