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大腿骨骨巨細胞腫軟部再発症例

大腿骨骨巨細胞腫軟部再発症例(増井)

症例 38歳、男性
大腿骨近位部GCTに対して人工骨頭置換術2年後に、軟部再発。
レントゲン
大腿部外側に石灰化を認める軟部腫瘤を認める。
MRI
大腿部皮下、術創に近接・連続するT1/T2低輝度の再発巣を認める。
治療計画
  • 前回の術創を含めて一塊にして広範切除
術中・後経過
  • 出血量: 少量
  • 手術時間:1時間10分
  • リハビリ:術後2日車いす、歩行訓練
病理
  • 肉眼像:腫瘍は広範切除されている。

  • 組織像:骨巨細胞腫の軟部再発で、切除断端に残存腫瘍は認めなかった。
ポイント
  • 若年~中高年の膝関節周囲に好発する良性骨腫瘍
  • 良性骨腫瘍ではあるが局所浸潤性が強く、再発率が高い。
  • 時に肺転移や悪性転化を来す可能性がある。
  • 稀に軟部組織再発を認める。
  • 治療の基本は徹底的な掻爬と種々の補助療法を組み合わせた手術療法である。
  • 近年、破骨細胞分化促進であるRANKL(receptor activator of NF-κB Ligand:NF-κB活性化受容体リガンド)に対する抗体(デノスマブ)を用いた新たな薬物療法が試みられつつある。