専門医療センター

大腿骨頚基部骨折術症例

大腿骨頚基部骨折術症例(増井)

症例 98歳、女性
当院で大腿骨頚基部骨折に対して観血的整復固定術を施行
受傷時レントゲン・CT

*頚部後方骨皮質の骨折(赤矢印)があり、前方・上部骨皮質を壊さないように注意する。

*対側Ward三角部のCT値:平均-44(脂肪:-50~-100)
術中イメージ
*側面で髄内を髄外に整復する。

*頚部上方(赤矢印)を壊さないよう、遠位骨片を整復しながらネイル・ガイドピンを挿入する。
*ラグスクリュー挿入部をドリリング後に人工骨注入用チューブ(黄矢印)を骨頭内に挿入する。

*Ward三角部がCT値から脂肪組織と同等の値となっている。
*前方の1cortex髄外だが、内側は髄内である。
*骨頭骨梁にスクリュー固定性が依存するため、回旋・圧迫負荷に弱い。
*骨頭内に注入ガイドを挿入し、ドリリング部からWard三角部・髄内釘内側縁に沿い、人工骨(α―TCP:緑矢印)を充填する。
術後直後レントゲン
術中経過 ・出血量:少量
・手術時間:29分
術後3か月時レントゲン
テレスコープを認めず、全過重歩行中である。
術後3か月時CT
Ward三角部は低濃度(赤矢印)で同部にα-TCP(黄矢印)が充填されている。
髄内釘内側に沿い、近位骨片の内側骨皮質を支持(緑矢印)するようにα-TCPが充填されている。

頚部後方骨皮質に骨折(赤矢印)を認め、髄内釘内側に沿い、骨折部を埋めて支持(黄矢印)するようにα-TCPが充填されている。