扁桃の病気
扁桃とは
のどにあるリンパ組織で、鼻や口から体内に細菌やウイルスが侵入することを防御しています。扁桃腺として知られる口蓋扁桃のほか、咽頭扁桃(アデノイド)、舌根扁桃、耳管扁桃などがあります。
慢性扁桃炎
慢性扁桃炎とは
一般的に、扁桃炎は小児期に多くみられる上気道感染症において認め、視診にて口蓋扁桃の発赤・腫脹を認めます。しかし、その後は成長とともに頻度は減少し、扁桃は縮小していきます。しかし子供のころから感染による炎症(急性扁桃炎)を繰り返していると、ある程度の大きさを保ち、新たな感染や疲労などをきっかけとして炎症を起こすようになることがあります。この状態が慢性扁桃炎です。
症状としてはのどの痛み、発熱、首周辺のリンパ節の腫れなどで、風邪とよく似た症状のため、本人は風邪をひきやすいと思っているが実は慢性扁桃腺炎であることがあります。
慢性扁桃腺炎の治療
抗菌薬や消炎鎮痛剤による内服治療を行います。その他症状に応じて解熱剤などによる対症療法を併用します。咽頭痛で経口摂取が難しい場合は、入院加療を行うことがあります。
扁桃炎が原因となってのどに膿がたまる場合(扁桃周囲膿瘍)は、症状が強ければ切開や穿刺による排膿を行うこともあります。
また、年に3~4回以上と高頻度に扁桃炎を起こす場合は扁桃摘出手術が検討されます。
手術は全身麻酔下で行われ、入院は1週間程度となります。
当院では手術の必要な患者様は他施設への紹介をさせていただきます。
アデノイド肥大症
アデノイド肥大症とは
一般的にアデノイドとは鼻の一番奥にある扁桃組織(咽頭扁桃)です。個人差はありますが、アデノイドは生理的肥大により8歳頃が一番肥大しており、その後は徐々に縮小していきます。アデノイド肥大による症状としては、鼻の奥のスペースが狭くなり鼻で呼吸が困難になる、入眠中のいびきにより睡眠の質が低下することで落ち着きのない性格になる、口呼吸が継続することで締まりのない顔貌となる等があります。
アデノイド肥大症の治療
上記症状の程度が強い場合、手術(アデノイド切除術)を検討します。なお、扁桃腺(口蓋扁桃)の肥大が合併している場合は、それもいびきなどに影響していることが考えられるため、アデノイド切除術と扁桃摘出術を同時に行うこともあります。
手術は全身麻酔下で行われ、入院は1週間程度となります。
当院では手術の必要な患者様は他施設への紹介をさせていただきます。