専門医療センター

猫咬創陳旧症例

猫咬創陳旧症例(増井)

症例 66歳、女性
猫に噛まれ、近医(皮膚科)で治療。排膿が持続するため、受傷21日目に当科を紹介受診した。
術前CT/MRI


基節骨内と周囲軟部組織に炎症、基節骨基部内側に骨破壊と骨皮質の消失を認める。
血液検査 炎症所見なし
治療計画
1st stage
緊急処置として、来院日にデブリドマンを施行し、開放創として薬浴処置。
2nd stage
Second look デブリドマン施行。
基節骨基部内側の骨皮質と軟骨消失
基節骨骨内と関節内を十分掻把
伸筋腱、屈筋腱を開放 十分洗浄、術後は薬浴しながら、自他動運動開始
・VAC療法を施行。
人工関節置換術前所見
  • 基節骨が短縮し、尺側に亜脱臼
  • 可動域(伸展-10度、屈曲30度)

人工関節置換術
  • 手術総時間:3時間43分(人工関節置換術:1時間38分)
  • 骨膜上から一塊として皮膚軟部組織を展開
  • DIP/PIP徒手的授動術
  • 屈曲可動域を獲得するため人工関節置換
  • 屈筋腱・人工関節間に遊離脂肪組織移植

術後6か月時レントゲン