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脛骨近位端関節内骨折症例

脛骨近位端関節内骨折症例(増井)

症例 脛骨近位端関節内・顆間隆起骨折(AO分類41B3)
43歳、男性
術前レントゲン・CT

脛骨後内顆・顆間隆起・外側関節面陥没骨折を認める
MCL浅層の付着部裂離が疑われる
術前プラン
  • 脛骨内顆骨折部を観音開きにして外側関節面陥没骨折を整復
  • 外側関節面を下支えするようにβ-TCP充填
  • 脛骨後内顆を整復してスクリューで圧迫固定
  • 脛骨後方からbuttress plating
  • 顆間隆起をfibre wireでpull out固定(スーチャーレトリバー使用)
  • MCL浅層:縫合(スーチャーアンカーなど)
術中・後経過 手術時間:2時間30分
出血量:276 ml
・外側関節面陥没骨折を整復、下支えするようにβ-TCP充填
・脛骨後内顆を整復してスクリューで圧迫固定後に脛骨後方からbuttress plating
・顆間隆起をfibre wireでpull out固定
・MCL浅層:LCPscrew holeにfibre wire縫合、半腱様筋を移動してMCLを補強
後療法:術後2日自・他動可動域訓練、術後6週部分荷重
術後2週可動域:0/50度
・術後2週目に非観血的関節授動術施行
術後10週時レントゲン 骨癒合が得られ、全荷重歩行中で可動域は0/140度である
ポイント
  • 術後早期からの積極的リハビリ介入
  • 術後2週で屈曲90度以下の際に非観血的関節授動術
  • 脛骨後内顆骨折では骨折線の位置によりMCL裂離損傷を疑う