整形外科専門研修
初期研修
当科では外傷、変形性関節症、骨軟部腫瘍などの幅広い分野の治療を行い、専門医師により最新の外科的治療を提供しています。早期より豊富な手術症例を執刀医師として経験してもらい、特に初期研修で最も習得すべき外傷は初療から術前計画、器械選定、執刀、リハビリ指導まで専門医師が直接、指導していきます。さらに千葉県内、都内の大学病院や研修病院とカンファレンスや研究会などで交流し、様々な知識と技術を吸収することでバランスのいい医療を実践する医師の育成を目標に指導をしています。当院は学閥にとらわれず、幅広い知識と技術を学びながら、チャンスを最大限に生かしてもらうための十分な初期研修プログラムを皆さんに提供できるものと確信しています。
後期研修
新しい専門研修制度では研修プログラムが専門研修基幹施設の種類によってⅠ型研修プログラム群(リサーチマインド研修基幹施設中心群:大学の整形外科に所属して研修)とⅡ型研修プログラム群(高度診療実績保有基幹施設群:大学に所属せずに地域の基幹病院で研修)に分けられます。また、Ⅱ型研修プログラム群では必ずⅠ型研修施設(大学病院)での研修が必須とされています。
千葉西総合病院整形外科では東京近郊に位置する千葉県東葛地区の高度診療実績保有基幹施設と連携して、地域完結・臨床実践型のⅡ型研修プログラム(東京歯科大学市川総合病院整形外科専門研修プログラム)を行っています。
東京歯科大学市川総合病院 整形外科専門研修プログラム
本プログラムは、千葉県東葛南部医療圏の中心的な急性期病院、地域支援病院である東京歯科大学市川総合病院整形外科を基幹施設とし、特徴を有する連携病院で豊富な臨床経験を積むことができるプログラムです。一般整形外科医として必要な研修に加えて、地域医療、救急医療も研修できるようになっています。東京歯科大学市川病院で整形外科の一般、特殊な疾患の研修を積んでいただいた後、小児整形外科を研修し、千葉西総合病院で臨床の第一線で外傷・関節外科・脊椎を含めた整形一般の総仕上げを行っていただきます。千葉西総合病院での1年半の間には、慈恵大学、帝京外傷センター、東京大学関連病院でも勉強していただきます。最終学年は慶應大学病院で研修を行うことにより臨床・基礎研究に触れ、研修修了後の進路は研修した病院や大学など自分自身で決めていただくこととなります。プログラムの特徴として、それぞれの連携病院はすべて、臨床の第一線の施設であることがあげられます。具体的には、各施設とも年間の手術例は1000例前後であり、さらに手術内容も関節外科、外傷、腫瘍、脊椎、スポーツ疾患と多種多様です。また、一般病院では系統的に研修が困難な小児医療を含んだプログラムも用意してあります。専攻医が希望する将来の進路を最大限に考慮し、きめ細かい研修内容を提供するため、連携施設と密接に連携しながら専攻医の細かい要望に対応します。本プログラム終了後には、各連携施設にて地域に貢献できる一般整形外科医としての確実な技能習得はもちろんのこと、サブスペシャルティ領域へ繋がる研修を経験し、将来的にはグローバルに活躍できる整形外科専門医に育つものと確信しています。
主な指導医
増井 文昭(関節外科センター長・整形外科部長)
平成2年 東京慈恵会医科大学卒業
専門:骨軟部腫瘍、関節外科、外傷
阿部 哲士(関節外科センター腫瘍外科顧問)
昭和63年 浜松医科大学卒業
現帝京大学整形外科教授
専門:骨軟部腫瘍、骨軟部組織感染症、外傷
黒住 健人(関節外科センター外傷外科顧問)
平成4年 大阪医科大学卒業
現帝京大学外傷センター准教授
専門:外傷、手の外科
下出 真法(関節外科センター脊椎脊髄外科顧問)
昭和48年 東京大学医学部卒業
元NTT東日本関東病院整形外科部長、脊椎脊髄病センター長
伊藤 吉賢(整形外科部長)
平成10年 東京慈恵会医科大学卒業
元東京慈恵会医科大学附属第3病院整形外科診療医員
専門修得コース(レジデント)プログラムの目的
- 千葉西総合病院整形外科では、学閥にとらわれず広くレジデントを募集しており、「知識と技術を兼ね備えた整形外科医師の育成」を目標に上級医師が技術的な指導を常時行っています。
- 高度な医療を行うには知識、技術に加え、指揮者のごとく周囲との調和が計れる人間性、社会性が大切と考え、バランスのとれた整形外科医師の育成を目標としています。
- バランスのいい医療を実践するため、整形外科専門医取得までは各臨床分野を広く学びながらレジデントに多くのチャンスを与え、能力を最大限に発揮できる環境を整えていきます。さらに専門医取得後は専門分野を深めつつ希望に即した進路が実現できるように一緒に考えて行きます。
勤務環境
- 年間手術件数: 約900件
- 1ヶ月の当直回数:平均3〜4回
- 週1日外勤
- 夏1週間の休暇
- 学会参加適宜
研修後の進路
研修後の進路については、各個人の希望に沿った指導を行っています。
- 大学病院整形外科に入局
- 病院スタッフとして活躍
- 系列病院や他の一般病院・診療所への就職
千葉西総合病院整形外科の研修の考え方
大学レベルの先端医療を学べます
後期専門研修プログラム修了後
大学病院整形外科に所属して学位修得や当科と交流のある外傷専門施設、著名な大学や関節外科センターへの国内研修も可能です。
先輩達の声
帝京大学整形外科より出向していた整形外科医師
千葉西総合病院整形外科での研修を紹介したいと思います。
千葉西総合病院は松戸近郊の医療を担う680床の大規模病院です。循環器のカテーテル治療件数は日本一の数を誇り、当然のように整形外科も患者さんも大変数多く来院され、数多くの症例と出会うことができ、充実した研修を受けられています。現在の部長の増井先生は慈恵大学で部長を務められており、腫瘍だけでなく人工関節にも造詣が深く、教育指導にも熱心でより良い整形外科に変えていこうと日々奮闘されております。ぜひ見学にいらしてください。
後期レジデント
千葉西総合病院は松戸近郊の医療を担う、病床数600床を超える大規模病院です。特に循環器科のカテーテル治療件数は日本一の数を誇り、当然の様に整形外科の患者さんも大変多く来院され、年間手術件数約900件と、数多くの症例経験を積むことが出来ます。部長の増井先生は教育指導に熱く、外傷、腫瘍、人工関節と幅広い分野に造詣が深く、その技術、知識を基礎から学ばせて頂いています。また、非常勤医師として帝京大学整形外科から腫瘍・骨軟部感染症・外傷専門の阿部教授、帝京大学外傷外科センターから外傷・手の外科専門の黒住准教授、慶應大学整形外科から手の外科専門の越智医師を始めとして、膝関節、股関節、足の外科の専門医師と充実した指導医の下で教育を受けることが出来ます。私自身も来年度専門医資格取得となるため、上級医師から学んだことを自らの中で反芻し、新たに当院にいらっしゃる皆様にお伝え出来たらと思います。楽しく充実した研修が出来るよう心掛けますので、是非一度見学にいらして下さい。
初期レジデントA
当院整形外科で1か月間研修させていただきました。当院では当直中などで外傷の患者対応をすることも多く、骨折などの画像診断やシーネ固定などの処置などを学びたく思い、選択での研修を希望しました。また、整形外科的疾患をもった患者は増加していくと思われるので、今後診療を続けていく中で整形外科的知識は必要だと考えたことも一つです。朝の回診では術後の処置に携わり、毎日行われる手術でも手技の一つ一つに関して理論的に説明して頂きながら参加しました。整形外科の先生方には個人のために時間を割いて講義してくださったり、私自身は内科希望なのですが、手術を実際に何件かオペレーターさせて頂いたこともあったりと、1か月という短い時間ながら熱心に指導して頂き感謝の念が尽きません。この1か月で経験したことを今後の診療に生かしていきたいと思います。
初期レジデントB
初期研修医2年目になり予てから志望していた整形外科を2か月間勉強させていただきました。常勤の先生方は5名ですが、熱心なご指導をして頂き、また手術件数が多く症例豊富なことが特徴に挙げられます。また、当院は他院から優秀な先生方が応援に来てくださり、手術に一緒に参加させて頂く経験ができることが他科では無いことだと思います。その際も熱い御指導して頂いたことには感謝の念が尽きません。さらに年齢的にも近い若い先生方の優秀さ、熱心さ、患者さんへの対応などは私にとって勉強になることが多く、数年後先生方のようになれるかどうか不安ではありますが、これから私が整形外科医として歩んでいくことに非常に有意義な期間になりました。
初期レジデントC
今まで救急当直で骨折などの整形外科疾患に多く出会ってきましたが、そのつど教科書を読みながら対応するも本当に自分がやっていることが正しいのかどうか不安を感じておりました。整形外科研修中の目標として、少なくとも外科当直で困らない対応能力を身につけること、そして、整形外科的common diseases(高齢者に多い骨折など)については自信をもって初期対応できる力を身につけることとしました。2か月間のローテーション中は病棟管理、外来、手術に関わりました。週10~20件近くの手術があり、そのほぼ全てに参加させて頂きました。市中病院のため骨折手術が多いですが、他に人工関節・骨軟部腫瘍もあつかっています。部長の増井先生や非常勤で来られる先生方で腫瘍を専門にされている方が多く、そこは他の市中病院とは変わった点だと思われます。どの先生方も非常に社交的でまた教育的でした。後期研修医の先生もおり、学年が近いため分からないことを気にせずなんでも聞くことができました。2か月間と短い間でしたが、振り返ってみると自らの当初の目標は達成できたと思います。
初期レジデントD
当院の研修医は2年間継続して救急外来での当直を行う。救急外来では骨折や腰痛など整形外科疾患に出会うことが非常に多い。高齢社会となった現在の日本で医療に携わるには、何科に進むにしても整形外科的知識は必須だと感じていた。そんな思いがあり、1か月という短い期間ではあるが整形外科で研修させていただくこととした。当院整形外科で圧倒的多数を占めるのが骨折である。骨折と一言にいっても、部位、骨折のパターン、原因、年齢、ADLなどの患者背景は一人ひとり異なっており、それらを考慮したうえで、治療方針を決定していくため、同じ疾患でも症例毎に学べることはそれぞれ異なっていた。骨折のほかにも、前十字靭帯損傷や半月板損傷に対しては侵襲の少ない関節鏡を、腫瘍に関しては良性のものから悪性のものまで幅広く扱っている。また、研修期間中に屋形船で花火観賞ツアーが企画された。花火鑑賞はもちろん、先生方のご家族とふれあう機会は稀有であり、楽しい時間を過ごせた。病院の外で交流の場を持つことは、仕事の雰囲気作りの面でも、すごく大切なことだと改めて感じた。整形外科の先生方は、適宜短時間の講義をしてくださり、熱心に指導してくださった。疑問に思ったことを気軽に聞ける環境は、研修医としてこの上なかった。短い期間ではあったが、この1か月で学んだことを救急当直を始めとして、今後の医師人生に活かしていこうと思う。
初期レジデントE
1ヶ月間、当院整形外科にて研修をさせて頂きました。当院研修では整形外科は選択科である。数ある科のなかで整形外科を選択した最大の理由は、当直帯にて対応する外傷の大半が整形外科領域であると1年間の夜間当直を通じて実感したためでした。当直帯外傷患者様への初期対応を的確に行う力を身につけたいという思いと、外傷・骨折患者様に対応した際に、入院適応・術式・入院後の経過などイメージでき患者様へ説明できる必要があると思い、研修を通じてそういった面を学ぶことを目的に整形外科研修を選択しました。当院整形外科は、創外固定・人工関節・関節鏡視下手術・腫瘍摘出などと幅広い疾患を扱える医師がいるため、当初予定していた以上のことを学ぶことができました。実際にガンマネイルなどは数回オペレーターをやらせて頂きました。また、整形外科病棟は非常にシステムが確立されており、病棟のシステム作りという面でも学ぶことがありました。指導医の先生方は熱血感溢れる先生方ばかりで、1ヶ月と短い期間にも関わらず熱い指導をして頂きました。感謝の念に尽きません。今後、いち医師として医療に携わっていく中、当院整形外科での研修は大きな糧になったと実感しています。
初期レジデントF
整形外科にて1ヶ月間研修させていただきました。今まで、救急外来等で骨折や脱臼を診てきましたが、初期対応のみで治療に関わったことはほとんどありませんでした。整形外科の研修では、実際に骨折等の周術期管理や術式等を学ぶことができました。毎日、手術に参加させていただき、充実した日々を過ごすことができました。病棟では、毎朝回診に参加し、術後処置や、牽引等整形外科特有の処置を学ぶことができました。また、時間のある時には、夕診なども見学させていただき、骨折の徒手整復・保存加療も見学させていただくことができました。一か月間という、短い研修期間でしたが、先生方が熱心に指導してくださりとても有意義な研修をさせていただきました。整形外科研修で学んだことを今後の診療に活かしていきたいと思います。