デバイス植込み後の管理
植込みデバイス外来
心臓植込みデバイスの治療において、植え込むことは治療の第一歩に過ぎず、経過を見ながら動作を確認し、問題があれば設定を調整し、一方では不整脈を監視するという多岐にわたる観察・調整事項をこなさなければいけません。これらを実施するのが「植込みデバイス外来」です。
機器の添付文書では2-3ヶ月に一度チェックすることが明記されていますが、外来数の制限から外来の頻度を6ヶ月から1年に1度と設定している施設が多いようです。当院では通常のペースメーカー患者様は6ヶ月に1度、その他ICDなどの生命に直結する機器の患者様は3ヶ月に1度の外来を設定しています。
遠隔モニタリング
遠隔モニタリングは機器の管理を行うための画期的な方法です。
植込みデバイス外来でチェックするデータを、患者様がご自宅から送信いただくことで、きめ細やかな管理が可能となり、さらには断線などの緊急事態に対する素早い対応を実現します。
仕組みとしては、自宅に専用の機器を置いていただき、睡眠中に自動的に(あるいは簡単な操作で)データを送信します。データは携帯電話回線経由でメーカーのサーバー(多くは米国)に送られ、インターネット回線を通じて担当医のパソコンやスマホに送られます。これらに要する時間は長くても数秒という短時間です。
モニタリングデータに問題があれば、担当医は患者様へ連絡し、受診をお願いします。また、問題がなければ年1回の外来受診で経過を観察します。自由な移動が難しいご高齢の方にとって外来通院の間隔が長くなることは恩恵となりますが、何よりも最低1ヶ月ごとのデータがチェックされるわけで、よりきめ細やかな治療が可能となる点が遠隔モニタリング最大の利点と言えます。当院では2019年よりこのシステムの利用を開始し、現在650名以上の患者様に遠隔モニタリングを実施しております。