WEB(Woven Endo Bridge)治療
WEB(Woven Endo Bridge)治療とは
WEB(Woven Endo Bridge)は脳の血管が盛り上がって瘤(こぶ)のようになる脳動脈瘤に対する血管内治療デバイスです。
治療の難易度が高いとされている、血管の分岐部にできるワイドネック型(瘤の入り口部分が広い)脳動脈瘤に使用します。分岐部ワイドネック型の脳動脈瘤は、外科手術ではクリップで挟み込みにくく、血管内治療では複数の製品を組み合わる必要があり手順が複雑になるといった課題がありました。WEBは単独で治療が完結する血管内治療デバイスで、手順がシンプルなため手技時間の短縮化が可能です。
WEBは目の細かい形状記憶合金のメッシュを使用した袋状のデバイスで、瘤から抜けにくい設計となっています。カテーテルを通じて脳動脈瘤の中に留置します。欧州では2010年から、米国では2019年より使われており、全世界ではこれまでに延べ1万例以上の実績がある治療です。
Woven EndoBridgeデバイス
留置イメージ
メリットとデメリット
メリット
- 従来治療の難しかった分岐部ワイドネック型の脳動脈瘤の治療に適している
- 分岐部ワイドネック型脳動脈瘤の根治を望める
- 未破裂の脳動脈瘤はもちろん、急性期のクモ膜下出血の治療にも使用可能
- ステントを併用するコイル塞栓術では服用が必要になる、術後の血液サラサラの薬が不要
デメリット
- 治療対象とされる脳動脈瘤に位置や大きさ、形状等の規定があるため、すべての脳動脈瘤に行える治療ではない
Q&A
公的医療保険が適用されます。また、高額療養費制度の利用も可能です。
7日~10日程度になります。
血管の分岐部に生じたワイドネック型脳動脈瘤に対する治療です
原則として血管の分岐部に生じたワイドネック型脳動脈瘤に対する治療であり、すべての脳動脈瘤に適応のある治療法ではありません。当院では患者様の病態等を総合的に勘案して、WEB治療以外に、フローダイバーターステント治療やコイル塞栓術、外科的クリッピング術も含めた、より良い治療法を提案、実施します。
WEB治療では術後の血液サラサラの薬(抗血小板薬)は原則として不要です。
平均的な治療費用
70歳以上の方
対象者 | 実際の窓口負担額(食事代込) | |
---|---|---|
現役並み所得者 | Ⅲ 課税所得 約690万円以上 | 約¥300,000 |
Ⅱ 課税所得 約380万円以上 | 約¥230,000 | |
Ⅰ 課税所得 約145万円以上 | 約¥140,000 | |
一般 | 課税所得 約145万円未満 | 約¥80,000 |
低所得者 | 住民税非課税 (低所得Ⅰ) | 約¥60,000 |
住民税非課税 (低所得Ⅱ) | 約¥40,000 |
70歳未満の方
対象者 | 実際の窓口負担額(食事代込) | |
---|---|---|
区分ア | 年収約1,160万円以上 | 約¥300,000 |
区分イ | 年収約770万円~1,160万円 | 約¥230,000 |
区分ウ | 年収約370万円~770万円 | 約¥140,000 |
区分エ | 年収約370万円以下 | 約¥80,000 |
区分オ | 住民税非課税(低所得Ⅱ) | 約¥60,000 |
※入院日数や部屋代により、負担額は変動します。
担当医師

大野晋吾 脳神経外科部長
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
医学博士

中村一也 脳神経外科医長
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
医学博士
お問い合わせ
患者様
フォームよりお問い合わせください。
他施設の方(患者様のご紹介ほか)
地域連携室までご連絡ください。
047-384-8564
月~金曜日 8:30-17:00/土曜日 8:30-12:30
この記事を書いた医師
大野 晋吾(おおの しんご)
千葉西総合病院 脳神経外科部長
(画像・動画提供:テルモ株式会社)