日々の健康に寄り添う
千葉西WEBマガジン
TRIANGLE online
「言いづらい悩み」に寄り添い、女性のQOL向上をしっかりサポート
2025.10.22

私は、入院患者様のリハビリや、産婦人科から依頼のあった骨盤底筋のトレーニングを外来で担当しています。骨盤底筋とは、骨盤の下にある筋肉のこと。内臓を支えたり、尿や便をコントロールしたり、体の安定にも関わる大事な筋肉の総称です。この筋肉を鍛えることで、尿もれや骨盤臓器脱といったトラブルの改善が期待できます。骨盤臓器脱という病名を聞きなれない方が多いかもしれません。これは膀胱や腸などの臓器が膣から外に出てしまう女性特有の病気です。出産による筋肉の損傷や、加齢によるホルモンの変化が原因で起こるといわれています。

 骨盤底筋のリハビリには、「どこをどう動かせばいいのか分かりづらい」という難しさがあります。外から見えないため、患者様のモチベーションが下がりやすいのも悩みどころ。そこで、当院では触診とともにエコーを使って、自分の筋肉の動きを「見て」確認できるように工夫しています。また、筋肉を動かす際に、呼吸や姿勢も関係するので、全体のバランスを意識しながらサポートしています。

 こうした尿もれや臓器脱の悩みは、なかなか人に言いづらいもの。しかし、リハビリを続けて症状が良くなると、患者様の表情が明るくなったり、外出や趣味を楽しめるようになったりするのです。そうした姿を見ると、本当にやりがいを感じますね。

 私自身も妊娠・出産を経験し、身をもって心身への影響を理解しました。現在は助産師が主催する「母親学級」で妊婦さん向けの体操を担当していますが、今後は、妊娠期や産後直後の身体的トラブルを抱える方へのリハビリテーションや、マイナートラブルの予防に関するサポートも提供していきたいと考えています。少しでもお悩みがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。

さいとう・のりこ 齋藤 理子
理学療法士(21年目)
目に見えない骨盤底筋の動きをエコーを使って可視化
小さな成果を積み重ねることで意欲を高めてもらっています!